#12 いのちはずむ旅
こんにちは。こんばんは。イラストレーターで詩人の柊有花です。
前回のお手紙からずいぶん時間がたってしまいました。
季節は夏から冬の入口へとうつろい、我が家のエアコンは昨晩突然壊れました。
起動はするけれどいつまでたっても風が出てこない。コンセントからプラグを抜き差ししたり、室外機の様子を見に行ったりしたけれど原因がわからない。とりあえず翌朝もう一度見てみようといったん眠り(寒くて眠れなかった)、起きてたしかめてみたけれど状況はまったく変わらないままです。
ここ最近ぐっと寒くなってきたので、夜などはエアコンがないと肌寒く感じます。最初はキャンプ気分で厚着をして過ごしていたのですが、いまは10年以上前に買ったパネルヒーターを引っ張り出し、ホッカイロをお腹と背中に貼って過ごしています。壊れたのが夏でなくてよかった。修理は4日後。
みなさまも電化製品の故障にはどうぞお気をつけください。
いのちはずむ旅
すこし前に長野へ行きました。
かなり余裕を持って出発したはずが、ナビの到着予想時刻を見ると約束の時間に30分以上遅れて到着することになっていてとてもひやひやしました。車での移動は電車と比べると自由度が高いところが好きだなあと思っていたのですが、自由度の高さゆえのひやひやもあるんだなあとしみじみ感じました。
なんとかして到着した町は、緑深い山と田んぼに囲まれた静かな場所でした。ほとんど歩いているひともおらず、太陽の光が静かに道を照らしているのがやけにくっきり感じられるような場所です。その町の一角にある民家の脇に車を停め、家に入らせてもらいました。
通されたのは畳敷きの部屋です。その入口には大きい雉の剥製があり、床の間にはツキノワグマの剥製が天をあおいで立っていました。なかなか威圧感のあるお部屋です。でも、わたしの実家にも父の実家から贈られた雉の剥製があったので、すこしだけ懐かしいような気持ちになりました。猛々しい剥製に囲まれた部屋の真ん中を、白いふわふわの子犬がくるくる走って初対面のわたしたちを歓迎してくれていました。
生まれてから約3ヶ月の子犬は白くてまぶしいです。走っている姿はいのちが弾んでいる感じがします。走り出さずにはいられない衝動みたいなものに突き動かされて、前後左右に走り続けている。わたしは2年前まで飼っていた文鳥のことが忘れられなくて、でも新しい家族と暮らしてみたいという気持ちがずっとありました。お迎えするにあたっては重たい不安がありましたが、自分の人生の中で犬を飼うという体験をしないままでいることがさみしく感じられて、その小さい子犬をお迎えすることにしました。
新幹線でふたたび長野へ行き、いまは一緒に暮らしています。想像していたよりも子犬は活発で飼い主の方が腰が引けているのですが、彼女との暮らしを通して自分の心境も変化してきたところがあって、またそういうこともどこかで書いていけたらいいなあと思います。
◆新しく作った犬のアカウント
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【ちょっとおしらせ】
◆12/14まで、神戸の自由港書店で詩画集『旅の心を取り戻す』(七月堂)の刊行記念展をおこなっています。オリジナルグッズもたくさんご用意していますので、お近くの方はぜひ遊びにいらしてください。




◆昨年も制作した、クリスマスのためのギフトを今年も準備中です。完成しましたらまたおしらせいたしますね。下記のページで販売予定です。
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