#11 新しい世界への旅
こんにちは。こんばんは。イラストレーターで詩人の柊有花です。
いやあ、暑いですね…みなさまは体調など大丈夫でしょうか。
わたしはいつも午前中に散歩がてら喫茶店へ行くのですが、ここ最近の暑さがあまりに厳しいので、喫茶店へ行く代わりに家で珈琲を淹れ、クーラーの効いた部屋で過ごしています。
#10では、個展のお話会と新刊のおしらせをしましたね。緊張しながらのおしらせでしたが、読んでくださったみなさまありがとうございました。
ふくらんでしまったさまざまな懸念や不安も、気づけば時間が押し流していくように、お話会も新刊のお披露目も無事に済み、その舞台だった個展「PRELUDE」も、7月8日に無事に会期を終えることができました。
あらためて、あの暑さのなか、お越しくださったみなさま、また、どこかで心を寄せてくださったみなさま、ほんとうにありがとうございました。この「海辺の手紙」のことも、「読んでます!」と教えてくださった方が何人もいらしてとてもうれしかったです。書いててよかった!
個展が終わって、今度は新しいやるべきことを進めています。それらはお披露目までまだすこし時間がありますが、自分にできる形で進めていけたらいいなと思います。
また準備ができましたらお手紙しますね。
ちなみに…
個展「PRELUDE」の作品集を作りましたので、先んじてみなさまへおしらせ。
もしご興味がありましたら覗いてみてくださいね。
新しい世界への旅
パスポートを忘れる夢をよく見ます。
空港で「これからチェックインするぞ!」というところでパスポートがないことに気がついたり、旅先でパスポートがないことに気がついたり。そのシチュエーションはさまざまなのですが、そのときの感覚はいつも妙に現実感があり、あざやかで、いつも「どうしよう…」と思いながら目を覚まします。この夢を見るときはだいたいある種の傾向があって、それに気がついてからはひとつのバロメータとして心に留め置くようになりました。
旅にあこがれているけれど、旅に出て失敗することをおそれる。
できるだけ、困ることのないようにいろいろな準備をしていても、旅は思いがけないアクシデントに満ちています。
次のバスが1時間後だったり、美術館が夏季休業でお休みだったり、携帯が壊れて地図が見られなくなったり。困らないように、つらいことがないように、と準備すればするほど、ささやかなアクシデントでかんたんに苦痛を感じてしまう自分がいます。
いつでも旅に出られるようによい靴を履くこと。
いまのわたしのように、毎日クーラーの効いた部屋で夜まで机に向かってばかりいると、靴なんてあったっけ?と思うときがあります。椅子に座った形で心が固まってしまっているような感覚です(物理的に椅子にくっついているんじゃないか?と思うときもあります)。靴があったとしても、いまの自分には履けないような気さえしていたり。
でも、ささやかなきっかけで、靴は自分の足元にあらわれる。履きやすい、たくさん歩いてもびくともしない靴。なくなってはいないのでした。自分でコントロールできないことを受け入れたとき、向かい風と感じたつよい風も飛翔するための風のように感じられる。そのことをわたしの体はきっと覚えていて。
束ねた髪がほどけるのをおそれず、新しい世界へ向かっていけたら。そう思いながらこの手紙を書いています。疲れるときはよく寝て。そうしたらいつでも歩いていける。
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